Excelの名前ボックスを理解すると作業効率が一気に上がります。
セル範囲を一瞬で指定できたり、後から削除や変更を柔軟に行えるので想像以上に便利ですよ。
私も最初はセル参照ばかりで苦労しましたが、名前ボックスを活用するようになってから資料作成がぐっと楽になりました。
- Excelの名前ボックスの基本的な使い方
- Excelの名前ボックスの削除・変更の手順
- 効率的に活用するためのコツ
Excelの名前ボックスはいわば、セルやセル範囲に「あだ名(≒名前)」をつける機能です。
たとえば、ある集計データを入力したセル範囲に「A組の試験結果」などのあだ名をつけておけば、感覚的に把握しやすくなりますよね。
さらに、必要なデータに瞬時にアクセスできるようになります。
B●●~C●●といった実際のセル番地で扱うよりもずっと楽です。
そこで本記事ではまず、名前ボックスの基本的な作成・変更・削除を説明します。
まだボンヤリとしか概要を掴めていないあなたも、続きを読めばExcelの名前ボックスを使いこなせるようになります!

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Excelの名前ボックスとは?作成・変更・削除の使い方ガイド

Excelを使っていると、セル番地(A1やB2など)を参照する機会が多くありますが、作業が複雑になるほど範囲を毎回指定するのは手間に感じるものです。
そんなとき便利なのが「名前ボックス」です。名前ボックスを活用すると、セルや範囲にわかりやすい名前を付けて呼び出せるため、関数の読みやすさが向上し、入力規則やデータ管理も効率化できます。
まずは名前ボックスの基本的な仕組みとメリットを理解しておきましょう。
excel 名前ボックスとは?
Excelの画面左上、数式バーのすぐ左にある小さな入力欄が「名前ボックス」です。

通常はここにセルのアドレス(例:A1)が表示されますが、名前ボックスを利用すると、「名前(例:数学の得点)」を付けて管理することができます。
これにより、特定の範囲を覚えやすいラベルとして扱えるため、数式や作業をシンプルにする役割を持っています。
名前ボックスを使うメリット(関数の可読性向上・入力規則の簡易化)
名前ボックスで定義した範囲を関数に組み込むと直感的で読みやすい式になります。
たとえば、あるクラスの数学の試験結果を記録した表があるとします。この表のセル範囲に「数学の得点」と名前を定義しておく場合を考えます。
そして数学の試験の得点を合計するとき、=SUM(数学の得点)
のように直感的な数式を作成可能です。
これにより、他の人と共有する際も理解しやすく、誤操作も減らせます。
また、プルダウンリストなど入力規則を設定する際にも、定義済みの名前を参照することで簡単に適用できるのが大きな利点です。
そこで本記事ではまず、この名前ボックスのつくり方をお伝えします。
操作自体は誰でもできる簡単なものなので、気を楽にしてご覧ください。
名前ボックスの作り方 | 名前を定義する手順
名前を定義する方法はとてもシンプルです。
まず対象のセルや範囲を選択し、名前ボックスに任意の名前を入力してEnterキーを押すだけ。
これでその範囲に名前が付与され、数式や入力規則で呼び出せるようになります。実際にやってみましょう!
サンプルとして使用するのは、↓のような表です。

A~C組の生徒の名字が記載されており、ここに名前ボックスを設定していきます。
まずは、名前を付けたいセル範囲を指定します。

その後、下図のセル範囲を示す名前を入力してください。なお、今回はA組生徒
としました。

入力が完了したらEnter
を押してください。これで名前ボックスの作成は完了です。
入力欄には、名前ボックスとしてA組生徒
がプルダウンで表示されます。

そして、このプルダウンからA組生徒
を選択すると、名前ボックスに対応するセル範囲がアクティブになります。

無事、名前ボックスは作れたでしょうか?操作自体は簡単だったと思います。
実は、名前ボックスの作り方は上記以外にもありますので、次章で紹介します。
さて、ここまでは基本的な使い方をお伝えしてきましたが、実際の業務はもっと色々ありますよね。
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その他の名前ボックスのつくり方
名前ボックスは上記以外の方法でも作成可能です。
数式
タブ>定義された名前
グループ>名前の管理
をクリックしても作成できます。

新規作成
をクリックします。

名前を入力した後、範囲としてシート名かブック名を選択します(迷ったらブックを選択すればOK)。そして、画面右下にある上向き矢印を押下しましょう。

すると、エクセルの画面に戻ります。
最初は関係のないセル範囲が自動選択されていますが、これをマウス操作によって、正しいセル範囲となるように指定しなおしてください。

上記の操作が完了したら、下向き矢印を押しましょう。

そして名前を入力します。

これで設定完了です。
下図のようになったら、閉じる
ボタンを押してください。

慣れてきたら、この操作の方が簡単に感じるかもしれません。お好みでどうぞ!
さて、名前ボックスを作ることができたら次は便利な使い方を知りたいですよね。詳細は次の記事でどうぞ!
→ 名前ボックスの使い方(2/2)|関数とプルダウンリストへの利用
名前の命名ルール
名前ボックスの名前の付け方にはルールがあります。
次の2点に注意して命名してください。
- 文字または_(アンダーバー)からはじめること
- 名前が重複してはいけない
このルールに違反してしまうとエラーが出るので、名前を付け直しましょう。

さて、名前やセル範囲を変更したり削除したいケースが出てくることもあります。
次の章では名前ボックスの変更・削除方法を説明します。
Excelの名前ボックス 範囲の変更・削除方法
一度定義したExcelの名前ボックスは、後から変更・削除が可能です。
「名前の管理」機能から名前の一覧を確認して編集できます。これはデータ範囲を変更したり、名前自体を削除したいときに役立ちます。

けっこうかんたんですよ!
名前ボックスの変更方法
名前ボックスの名前やセル範囲を変更するにはまず、数式
タブ>定義された名前
グループ>名前の管理
をクリックしてください。

名前の編集ウィンドウが表示されます。
変更するには、名前ボックスを選択して編集
ボタンを押しましょう。

下図のとおり、名前を変えたい場合は、名前欄からすぐに変更可能です。
名前ボックスのセル範囲を変更したい場合は、右下にある上向き矢印をクリックしてください。

エクセルの画面が表示されるので、変更後のセル範囲をマウス操作で指定してください。
すると、自動的に範囲が入力されます。

上記の操作が完了したら、下向き矢印を押しましょう。

これで変更完了です。閉じるボタンを押してください。

次は削除の方法について説明します。
方法は変更の場合とほぼ同じです。
名前ボックスの削除方法
不要になった名前を残したままにすると、数式エラーや参照の混乱を招く原因になります。
そのため、定期的に名前を整理・削除することが大切です。
ただし、削除の手順や注意点を知らずに操作すると、思わぬエラーが発生することも…。
ここでは名前ボックスの削除方法と、削除時の注意点を解説します。
変更のときと同様に、数式
タブ>定義された名前
グループ>名前の管理
をクリックしてください。

名前の管理ダイアログボックスが表示されます。
目的の名前ボックスを選択して削除ボタンを押せばOKです。

どうでしょうか、名前ボックスの変更・削除はできたでしょうか?
削除できない場合の原因と対処(テーブル・非表示の名前)
場合によっては削除できない名前が存在します。
例えば「テーブル」に関連付けられた名前は、そのままでは削除できません。この場合、テーブルを通常の範囲に変換すれば削除可能になります。
また、非表示の名前は一覧に表示されないため、VBAで表示させてから削除する必要があります。
VBAを使った一括削除の紹介(実践例)
不要な名前が大量にある場合は、VBAを使って一括削除するのが便利です。
以下のサンプルコードを実行すると、ブック内のすべての名前を削除できます(動作確認していますが、実行は自己責任でお願いします)。
Sub DeleteAllNames()
Dim nm As Name
For Each nm In ActiveWorkbook.Names
nm.Delete
Next nm
End Sub
ただし、すべて削除すると参照エラーが起きる可能性があるため、実行前に必ずバックアップを取っておきましょう。
定義名の増え過ぎによる軽量性・トラブルのリスク
名前が増えすぎると、ブックの動作が重くなるだけでなく、管理も複雑になります。
また、参照エラーを含んだまま放置すると、開けなくなるなど深刻なトラブルにつながることもあります。
不要な名前はこまめに整理し、必要最小限に保つことがExcelを安定して使うコツです。
Excel 名前ボックスのよくあるトラブル

Excelの名前ボックスを使っていると、ちょくちょくトラブルに見舞われます。
その大部分が設定のミスによるものです。
いったん落ち着いて、以下の内容を確認してください。
Excelの名前ボックスが表示されない…名前ボックスの出し方は?
たまに、『名前ボックスの出し方は?』とお悩みの方がいます。
Excelの名前ボックスが表示されない場合は次の項目にチェックを入れてください。
表示
タブ>表示
グループ内の数式バー
にチェックを入れてください。

これで名前ボックスの入力欄が表示されるはずです。
Excelの名前ボックスを変更できない
名前ボックスを変更できない主な原因は、命名ルールの違反です。
以下の内容をもう一度確認してください。
- 文字または_(アンダーバー)からはじめること
- 名前が重複してはいけない
このルールに違反してしまうとエラーが出るので、名前を変更し直しましょう。
Excelの名前ボックスを削除できない
シートが保護されていると名前ボックスを削除できないことがあります。
校閲
タブ>保護
グループ内のシート保護の解除
をクリックしてから再度、名前ボックスを削除してみてください。

また、名前ボックスが他の数式などで使用されていると削除できないので、次の手順に沿って対応してみてください。
数式
タブ>名前の管理
を開く

削除したい名前ボックスを探して、参照先のセルや数式を確認

その名前ボックスが使われている数式の設定を修正しましょう。
そして再度、名前の管理から削除を試してください。
実体験Tips:私の失敗談と回避策

名前ボックスは便利な機能ですが、使い方を誤ると逆に混乱やトラブルを招いてしまうこともあります。
ここでは、実際に私が体験した失敗例と、それを防ぐための回避策を紹介します。
これから名前ボックスを活用する方が同じミスを避けられるよう、具体的なケースを参考にしてください。
「重複した名前」で混乱 → ワークシート単位スコープの活用
以前、同じ名前を複数シートで使ってしまい、どの範囲が参照されているのか分からなくなる失敗をしました。
解決策は「スコープ」をシート単位に分けること。これにより同じ名前でもシートごとに独立して管理でき、混乱を防げます。
名前を定義したまま範囲を削除してしまった → 名前のエラーでファイル劣化
データ範囲を削除したのに、名前を残したままにしていたことがあります。
その結果、数式が #REF! エラーだらけになり、ファイルの動作も不安定に。
定期的に「名前の管理」を確認して、参照切れの名前を整理する習慣が必要だと痛感しました。
名前一括削除したら参照エラーが続出 → 事前に依存チェックする重要性
不要な名前を一括削除したところ、実は数式で利用している名前も含まれており、大量の参照エラーが発生しました。
削除前には「どの数式で使われているか」を確認することが大切です。バックアップを取ってから操作するのも安全策のひとつです。
この記事の関連リンク集

当ブログでは、新社会人の皆さんが知っておくべきExcelの基本~応用ワザを数多く解説しており、それらをまとめて1本にしたカタログ的な記事を用意しました。
また、Officeスキルを体系的に学べる人気オンラインスクールの特集記事も併せてチェックしてみてください
そして、本記事で紹介した関連リンクはこちらです。
こちらもぜひご覧ください!
FAQ:Excelの名前ボックスでよくある質問

ここまでは具体的な方法をお伝えしてきましたが、その他にも細かい疑問や迷いやすいポイントがいくつかあります。
そこで以下では、よくある質問をFAQ形式でまとめました。
- 名前ボックスに入力できる名前のルールは?
-
名前にはいくつかの制約があります。先頭に数字やスペースは使えず、特殊記号も基本的に不可です。また、セル参照と混同しやすい「R1」や「C1」といった名前も利用できません。シンプルで意味が分かりやすい名前を付けると、後から管理がしやすくなります。
→ 名前の命名ルール
- 名前を数式で使うにはどうすればいい?
-
定義済みの名前は数式に直接入力するだけで使えます。例えば「売上」という名前を定義しておけば
=SUM(売上)
のように利用できます。また、数式バーで「F3」キーを押すと定義済みの名前一覧が表示され、そこから選んで挿入できるので入力ミスを防げます。
- Web版 Excel で名前の定義は可能か?
-
Web版のExcelでも定義済みの名前を利用することは可能です。ただし、Web版ではマクロが使えないため、複雑な自動化や非表示の名前の削除はできません。非表示の名前を扱う場合はデスクトップ版が必要です。もし本格的に名前を活用したい場合は、PC版Excelで設定してからWeb版で利用するのがおすすめです。
- 名前をコピーしたシートでも使える?
-
名前を定義したシートをコピーすると、同じ名前が重複して管理される場合があります。スコープをシート単位に設定しておけば、コピー後も独立して使えるため混乱を防げます。
- 名前を一覧で確認する方法はある?
-
ショートカットキー「F3」を押すと、定義された名前の一覧が表示されます。また、数式タブの「名前の管理」からもすべての名前を確認できるため、定期的にチェックして整理すると安心です。
- 名前ボックスに長い名前を付けても大丈夫?
-
名前に使える文字数は最大255文字ですが、長すぎると数式が読みにくくなるため避けた方が無難です。実務では「売上2024」や「商品リスト」など、短く意味が明確な名前を使うのが適切です。
まとめ)Excel 名前ボックスの使い方|作成・編集・削除

以上、『Excel 名前ボックスの使い方』と題して、名前ボックスの作成・編集・削除についてお伝えしました。
簡単に手順をおさらいします。
名前ボックスのセル範囲を選択した後、下図の赤枠内にセル範囲を示す名前を入力してください。

入力が完了したらEnter
を押せば名前ボックスの作成完了です。
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それではまた、次の記事でお会いしましょう!

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