山本周五郎『内蔵允留守』のあらすじと感想!奥義に隠された真実とは?

電車などでの移動中は何かと暇なもの。

そんな時はついつい、スマホを触っちゃいますよね。

でも、ちょっと待ってほしい!

もっと面白いものあるよ!

私も電車内でスマホをいじるのが日課でした。

そんな私が読書に目覚めたきっかけは、山本周五郎著『内蔵允留守(くらのすけ るす)』です。

最初の数ページをめくっただけで、あっという間に引き込まれていきますよ。

目次

山本周五郎『内蔵允留守』のあらすじ|こんな時に読むといいかも

『内蔵允留守』は1940年(昭和15年)に大衆雑誌『キング』に発表された短編小説です。

10数ページとボリュームは少ないですが、物語の最後にはアッと驚く結末が待っています

その感想を一言で表現すると、『極上のエンターテイメント』

とにかく面白いんです!

また、お子さんの読書感想文の題材にも最適です。小学校中学年くらいであれば十分に読み下せます。

小学生が山本周五郎をチョイスしたら、先生も驚くこと間違いなしでしょう。

ちなみに、山本周五郎の作品には時代劇が多いことで知られます。時代劇だからといって本当に面白いのか不安に思うかもしれませんが、そこは心配ご無用です。

面白さは保証します。

では、『内蔵允留守』のあらすじを紹介します。ネタバレはありませんのでご安心ください!

山本周五郎は偉大だ!『内蔵允留守』のあらすじと感想。

主人公は一人の若い侍。

彼は剣術の腕前を高く評価されていますが、高い評判に胡坐をかくことなく、さらなる高みを目指しています。

そして、達人と評される別所内蔵允の噂を耳にします。そこで、内蔵允から剣術の奥義を授けてもらうため、彼を訪ねて弟子入りを志願することにしました。

遠路はるばる彼のもとを訪れた主人公でしたが、あいにくの留守。内蔵允宅の近くで農作業をしていた老人によると、彼は旅に出ているとのことでした。

念のため内蔵允の家を訪れてみると、そこにはなぜか数名の侍がいました。

実は彼らも主人公と同じように剣術を学びたいと考えていて、内蔵允宅でその帰りを待っていたのです。

しかし、許可を得ないまま勝手にそこに住み着いて、あたかも内蔵允の弟子であるかのように振舞っています。

さらには、まだ若い主人公を一瞥し、馬鹿にしたような口ぶりで接してきます。

すでに主人公の剣の腕前は彼らを上回るほどのものでしたが、無用の争いを避けるため、ここは仕方なく引き返すことにしました。

その帰り道、主人公は先ほどの農夫の老人と再び出会います。

『せっかく遠くから来たのだから』ということで内蔵允が戻ってくるまでの間、その老人宅に泊めてもらうことにしました。

ところが、待てど暮らせど内蔵允が旅先から戻ってくる気配がありません。

このままズルズルと居候していては申し訳ないということで、主人公は農作業を手伝うことを申し出ました。

しかし、ここで老人から思いもよらない言葉をかけられます。

『農作業は生易しいものではない』

この言葉に発奮した主人公はさっそく荒れ地を耕し始めますが、その作業は想像以上に過酷なものでした。

主人公の体は悲鳴を上げ、思うように体が動かなくなってしまいます。

普段から剣術で鍛えていたはずなのに、土に鍬を入れて耕すという行為にはまったく歯が立ちません。

そうして、色々な農作業のコツや心得などを老人から教えてもらっている中、季節は夏から秋へと移ります。

当初は少しの間だけ泊めてもらうつもりでしたが、いつしかその滞在期間は数か月に伸び、主人公の心境にも変化が現れはじめました。

時には老人から『今は武士よりも百姓の方が必要だ』などと言われてムッとしたりしながらも、『自分が本当に学ぶべきものは何なのか?』ということを考え直し始めるのです。

内蔵允宅に勝手に居座っているさきほどの輩との対決シーンなども挟みながら、物語は進んでいきます。

そして時には『内蔵允ってずっと留守にしてるけど、いつ帰ってくるの?本当に実在するの?』と疑心暗鬼になりますが、それでもじっと内蔵允をの帰りを待ち続ける主人公。

やがて、居候させてもらっているこの農家の老人とも親しくなり、会話も増えます。

そんななか、老人との会話の中から主人公はついに、内蔵允の真実を悟ることになるのです。

そして驚きの決断を・・・。

はたして主人公は、別所内蔵允から奥義を伝授してもらうことができるのでしょうか?

そもそも、内蔵允という人物は実在するのでしょうか?

ザックリいうと、謎が謎を呼ぶストーリーが展開していき、最後はアっと驚く結末が待っています。

本を読み終えた時、『内蔵允留守』というタイトルの意味が明らかになります。


単行本なのでサイズはコンパクトですが、満員電車で読むにはちょっとつらい…

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残念ながら『内蔵允留守』は入っていませんが、同じく不朽の名作『さぶ』など名著や自己啓発系の書籍もバッチリ入っています。

プロのナレーターが朗読しているので聴きやすいですよ。オフライン再生もできます。

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満足度は最上級|山本周五郎『内蔵允留守』のあらすじと感想

おそらく、これを読み終えた後、きっとあなたはこうなります。

いや~、そうくるか!

読んで絶対に損はない作品です。

山本周五郎作品のすごい点は、ハリウッド映画のようなド派手なアクションシーンがないにもかかわらず、緻密な物語構成で読者を飽きさせないところです。

それは本作においても同様で、派手さこそないものの、その結末には思わず『う~ん』と唸ってしまいます。

個人的には、『道は一つだ。無窮に八方へ通じている。』という言葉が印象に残っています。今の自分を勇気づけてくれる気がしてなりません。

上質かつエンターテイメント性のある「内蔵允留守」は、様々な娯楽に慣れ親しんでいる我々にも十分楽しめる作品でした。

こうした作品が収録されている本は、お金を払ってでも手元に置いておきたいと思わされる作品です(外食一回分に満たない金額です )。

前述のハリウッドで思い出しましたが、なぜこの作品が映画化されないのか不思議なくらいです。

海外で大人気のSAMURAIが主人公で、ドンパチも必要ないから低予算で作成できそう。それでいて上質なサスペンスとドラマが盛り込まれているのに…。

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山本周五郎ってどんな人?

『内蔵允留守』の作者である山本周五郎は、1903年に山梨県で生まれました。

小学校3年生の時、担任の先生から小説家になることを勧められるなど、その才能は早くから評判になっていたそうです。

小学校を卒業した周五郎は、神奈川県の質店に住み込みの丁稚として働きはじめます。

この質屋の主人との出会いは、彼にとって非常に大きいものでした。

質屋の主人はもともと文学好きだったらしく、周五郎の才能を見抜き、学費を出してあげて学校に通わせるなど、親のような愛情をもって彼に接していました。

周五郎もそれを恩義に感じており、勉強に励んでいたそうです。

その後、大震災によって質店が丸焼けになったのを機に作家として活動を始めます。

この時のペンネームが『山本周五郎』

そう、実は彼の本名は『山本周五郎』ではありません。恩義に感じている質屋の主人の名前を使わせてもらったのです。

精力的に執筆活動を続けた彼は、数多くの名作を世に発表し、人気を博します。

様々な文学賞にノミネートされますが、いずれも受賞を辞退。

ちょっと変わった人だったのかもしれませんが、『地に足を付けて着けて、実直に前を向いて歩いていく』、そんな作風と重なるものがあるように思えますね。

では、今回はこんなところで失礼します!

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